本対談は2016年に実施したものです。所属・肩書きは当時のものです。
桐山一憲(きりやま・はつのり)氏 P&Gジャパンに新卒で入社。日本人として初めてP&Gジャパンの社長を務め、アジア出身者として初めてP&G米国本社プレジデント兼アジア最高責任者に就任。当時、beyond globalグループ Executive Advisor。現在は株式会社forGL代表取締役。
森田英一
beyond global グループ President & CEO。
この対談について
新卒で採った社員を育て、その社員が長く会社を支える。これは日本企業の大きな魅力で、世界でもあまり見られない文化です。
ところが、アメリカの巨大企業P&Gも、新卒を中心に採って育てる文化を持っています。特にマネジャー以上は外部から採らず、内部昇進が基本です。育成を重んじる日本企業と似ている点と違う点があり、森田は「日本企業がベンチマークすべき会社のナンバーワン」と考えてきました。
テーマは「グローバルで活躍する人材の育て方」です。P&Gの手法だけでなく、「人を育てるとはどういうことか」「育成のゴールは何か」を考え直す対談になりました。
この対談の要点3つ
育成をリーダーの評価に組み込む。 P&Gではトップの評価の半分が人材育成。育てる文化と評価の仕組みの両輪で効いていました。
人の器を大きくするのは、研修より「少し背伸びした仕事」。 P&Gでは全社員が対象です。
「辞めるからこそ育てる」。 他社でも活躍できるほど育ててこそ、洗練されたリーダーが残ります。問われるのは「どんな人が残る会社にしたいか」です。
1. マネジャー評価の半分が「人材育成」だった
「むしろ、自分を超えるようなポジションにつくような人間を輩出した、育てたことはその上司にとって誇らしいことなのです。」(桐山氏)
森田 :日本企業は育成を重視していると言われますが、人事評価に入る「育成」の比重は3割ほどだと思います。P&Gではマネジャーの評価基準の50%が人材育成だったと聞きました。本当にそう運用していたのですか。
桐山 :正確には、トップマネジメントはパフォーマンスと人材育成が50対50、課長・次長クラスは70対30くらいでしたね。
80年代までのP&Gは、アメリカの超ドメスティック企業と言っても過言ではありませんでした。今の日本企業と同じで、せっかく採用したローカルの人材が育たないという問題を抱えていたのです。そこでリーダーたちに「短期の成果を出せばよいのではない。組織の繁栄にコミットしなさい」というメッセージを込めて、この評価基準にしました。今は成果が出始めたので、パフォーマンス評価の比重を少し高めています。
カルチャーと仕組みの両方があって効く
桐山 :P&Gには人を育てるカルチャーがあります。リーダーの仕事は次のリーダーを育てることです。そのカルチャーに評価基準という仕組みを足したことで、育成が加速しました。「カルチャー」と「仕組み」の両方があることがポイントです。
森田 :仕組みだけ入れてもうまくいく、というわけではないのですね。
桐山 :P&Gでは、自分のチームから昇進する人が出ないのは、部下を育てる力や度量がないということ、つまりリーダーシップの欠如だという文化が根付いています。自分のポジションを守るために優秀な部下を囲い込むことはありません。そんなことをすれば「何を器の小さいことをやっているんだ」と言われます。むしろ、自分を超えるポジションに就く人を育てたことが、上司にとって誇らしいのです。
森田 :日本企業で言う育成のイメージとはずいぶん違います。日本では、上司にとって都合のいい人に育てるケースが多いかもしれません。自分を超える人を育てようという気概はなく、部下に追い越されたら複雑な気持ちになる人も多いと思います。
桐山 :P&Gでは、育てた部下が成果を出すとみんなで喜びます。「彼は、彼女は、自分が面接して採用したんだ。自分が育てたんだ」という言葉がよく聞かれます。
森田 :見込んで採った人だから、育てる側も身が入るわけですね。採用の入り口から育成のスイッチが入る。ということは、採用は部門別で、採用した人が上司になることが多いのですか。
桐山 :基本的には部門別の採用です。いくつかの専門部署を除き、ほとんどの人が大卒か院卒で入ってきます。中途採用も多少ありますが、入社後のスタートは新卒とまったく同じ扱いです。ジョブホッピングや管理職の中途採用が普通の欧米企業の中では、ユニークな会社だと思います。
森田 :人を育てるカルチャーも、新卒で採っているからこそ受け継がれるのかもしれません。
桐山 :それは大きいと思います。カルチャーと同じく、仕事の基礎・基本は極めて重要です。仕事への取り組み方、スキル、企業の価値観を、学校を出たばかりのピュアな状態で吸収するプロセスはとても大切です。
▶ 日本企業へのヒント
御社の管理職評価で、部下育成は何割でしょうか。評価面談で「自分を超えそうな部下を誰に育てたか」を聞くことから始められます。
2. 研修より効くのは「少し背伸びした仕事」
「人物の器を一回りも二回りも大きくするには、ストレッチ・アサインメントが欠かせません。」(桐山氏)
森田 :P&Gは世界的な人材輩出企業として知られ、出身者が他社の経営者に抜擢される例も目立ちます。人を育てるとき、何がいちばん効くとお考えですか。
桐山 :ひとつは、その人の今の力量を少し超える、ストレッチ(背伸び)しなければならない仕事をできるだけ与えることです。
MBAのような知識・スキル中心の研修が人を育てると思われるかもしれません。それも大切ですが、人が育つプロセスとしてはストレッチ・アサインメントのほうがはるかに効果的です。研修は来たるべき時への準備として意味がありますが、人物の器を一回りも二回りも大きくするには、ストレッチ・アサインメントが欠かせません。
27歳で支店長、34歳でカナダへ
森田 :桐山さんご自身が、ストレッチ・アサインメントで成長した体験はありますか。
桐山 :ひとつは27歳で支店長に抜擢されたことです。上司に呼ばれて「覚悟して頑張れよ」と言われ、課長の責任範囲が広がるのかと思ったら、いきなり支店長への昇格でした。想像もしていなかったので、かなりのプレッシャーでしたが、非常に貴重な体験になりました。
森田 :1997年に初めて海外のカナダへ赴任されています。ご自身の希望だったのですか。
桐山 :いえ、ちょっとした手違いのようなものです(笑)。90年代半ば、人事システムが全社で統一されつつあり、WDP(ワーク&ディベロップメントプラン:仕事と人材開発の計画)というフォームが入った頃でした。3〜5年後にどんな職務をしたいかを書く欄があったのですが、当時の私は全国でいちばん大きな支店を任され、目の前のチャレンジに没頭していて、先のことが思いつかず空白で出しました。
森田 :それで、どうなったのですか。
桐山 :すると人事の担当者が来て、「新しい制度を浸透させたいときに、桐山さんの立場の人が書かないのはまずい」と言うのです。例を聞くと「他の部署で働きたい、マーケティングを経験したい、海外で仕事をしてみたい、などはどうですか」と。それを気軽に書いたら経営層の目に止まり、現実になってしまったわけです。
森田 :34歳で責任ある立場の人に別の部署を経験させるのは、会社にとっても挑戦です。長期の視点で人を育てるつもりがなければできません。
桐山 :よくやらせてくれたと思います。英語のできる優秀な人もたくさん入ってきた時期でしたから、「なぜ自分が」と思いました。営業で責任ある立場から、経験のないマーケティングで下っ端からのスタート、しかも海外です。でも「あいつはまだ伸びるんじゃないか。本人もやりたいと言っているぞ(笑)」とチャンスをくれた。今思うと、とてもラッキーなことでした。
森田 :カナダでの仕事は大変でしたか。
桐山 :大変なんてものではありませんでした。当時は英語の会話もおぼつかず、恥ずかしい思いをたくさんしました。日本では秘書もいましたが、カナダでは一兵卒からのスタートで、全部自分でやらなければなりません。
「この日本人は何をしに来たんだ」と思われたくない気持ちと、早く成果を出さなければというプレッシャーの中で、すでに立派な中年でしたが、初心に帰ってがむしゃらに働きました。多くのチャレンジを乗り越えたとき、仕事や英語のスキルだけでなく、人間としての器が大きくなったように感じました。
全社員に背伸びの機会がある
森田 :こうした抜擢的なストレッチ・アサインメントは、P&Gでは数多く行われているのですか。
桐山 :抜擢人事はそれほど多くありませんが、ストレッチ・アサインメントは全社員に対して行われています。P&Gの人事制度には部署によって「UP or OUT」と「GROW or OUT」という仕組みがあり、昇進も成長もせずに同じポジションにとどまること(STAY)は原則ありません。成長のためのストレッチ・アサインメントは、全社員(総合職)が対象です。
森田 :上司によっては、部下がそこそこ回してくれるのが楽で、同じ仕事をずっとさせて成長を止めてしまう、という話もよく聞きます。
桐山 :P&Gでは担当替えのサイクルは3〜4年が一般的です。部下が成長することが上司の評価にもつながるので、同じ仕事をずっとさせることはありません。
▶ 日本企業へのヒント
同じ担当に4年以上いる中堅・管理職を洗い出し、一人ひとりに次に任せる「少し背伸びした仕事」を上司と決めてみてください。
3. 本社から来た人は「マジョリティ」である
「マジョリティがマイノリティを理解することの方がより重要だ」(桐山氏)
英語は、まねるより、シンプルに力強く
森田 :カナダ赴任時の英語力はどのくらいでしたか。
桐山 :とてもビジネスで通用するレベルではありませんでした。TOEICの点数もひどかったです。コーヒーショップで何度も聞き返されて注文できない、というところからのスタートです。ビジネス英語が飛躍的に伸びたのは、2度目の赴任先の韓国でした。
カナダでは、流暢に話す人たちのアクセントやリズムを必死でまねたのですが、これは大失敗でした。何も通じないのです。流暢に話そうとするほど伝わらない。伝わらなければ意味がありません。
ビジネスの英語は意思を伝える道具です。相手のスタイルをまねる必要はなく、何を誰に伝えたいのかに集中し、基本的な単語で、伝えたいことをシンプルに組み立てる。ストレートに力強い球を投げることが大切だと実感しました。これはアジアのプレジデントとして多くの従業員にメッセージを出すときにも、強く意識したことです。
森田 :流暢に話せることがゴールだと思いがちですが、大切なのは中身と伝え方なのですね。
数が多い側がマジョリティとは限らない
森田 :海外赴任で得たもので、今に生きていることは何ですか。
桐山 :多様な組織を運営するうえで、数が多いことだけがマジョリティではないと知っておく必要があります。ローカル社員と、本社から派遣された駐在員の関係です。現地の組織では数の上ではローカル社員が多数ですが、実際のマジョリティは本国で入社した人たちです。日本企業なら、どこに行っても間違いなく日本人がマジョリティです。そして、そのマジョリティの人たちの姿勢が、現地法人の強さ・弱さに大きく影響します。
森田 :具体的には、どんな場面でそう感じられたのですか。
桐山 :カナダにいたとき、ローカルのカナダ人社員と、アメリカ本社から来た社員・マネジャーの間には、かなり大きな隙間がありました。私から見るとどちらも欧米人ですが、課題の捉え方もアプローチも随分違い、お互いを認めずに自分の主張を優先していたように思えました。
本社側としっかり渡り合える優秀なカナダ人社員も当初は結構いましたが、気が付くと多くが辞めていました。理由の多くは、考え方の違いを本社側が理解しようとしない、尊重されない、というものでした。ちなみに私は1年で4人の違うカナダ人上司にレポートしました。
私はどちらにも属していなかったので、その構造がよく見えました。両方に問題があったと思います。ただ、学んだのは、マジョリティがマイノリティを理解することのほうがより重要だということです。理由は簡単で、マジョリティのほうが背後に力を持っているからです。これは上司と部下の関係でも同じです。
森田 :なるほど。
桐山 :本社から派遣される側の立場にいる方は、ローカルの人が自分たちをどう見て、何に問題を感じているのかを知るのは、かなり難しいことです。本社の立場を背に「これが当然だ」と指示を出しがちですが、それは想像以上にローカル社員には理解できず、大きなプレッシャーになります。固定観念や過去の経験、ポジションの力を使って指示・主張する上司は、それだけでマイノリティにとって権威的、暴力的な存在になります。
森田 :それが、ローカル社員がすぐ辞めてしまう問題につながるのですね。溝を埋めるにはどうすればよいでしょうか。
桐山 :まずは意識です。駐在員やリーダーの側が、自分はマジョリティに属していて、普通にしているだけで権威的に映る可能性がある、と自覚すること。その意識と姿勢が、組織の風土をつくるうえでとても重要です。
そのうえで、ローカルの人がどんな問題を抱え、現場で何が起きているかを全体でつかめるよう、見える化・仕組み化を入れることです。シンプルなワーク&ディベロップメントプランや従業員サーベイを取り入れる、ローカル社員も納得できる透明性のある人事・給与制度に変える。ドメスティック企業から、多くのローカル社員を雇うグローバル企業へと切り替えるときに、欠かせないことだと感じます。
森田 :私たちも、ローカル社員の声を聴く従業員エンゲージメントサーベイを行うことが多くあります。中にいると、どんなに器の大きい方でも何が起きているかはよく見えません。外部の力で見える化するのは非常に有効だと感じています。結果をご覧になると、皆さん決まってとても驚かれます。
▶ 日本企業へのヒント
駐在員を送り出す前に「現地では、普通にしていても権威的に映りうる」と伝えていますか。現地社員の本音を定期的に見える化する仕組みも点検してみてください。
4. 超ドメスティック企業からグローバル企業へ
「マイノリティの人にとっては、頑張った結果を公平に認められるというのは、とても大事なことです。」(桐山氏)
森田 :30年ほど前、P&Gはアメリカでは大企業でしたが、日本ではまだ小さな会社だったのですね。
桐山 :当時、P&Gはアメリカで圧倒的なシェア1位で、さらに成長するにはアジアに本格進出しなければならない時期でした。アジアではフィリピンの次に日本へ進出しました。その頃のP&Gは収益のほとんどをアメリカで稼ぎ、グローバルの重要ポジションの8割以上はアメリカ人だったと思います。日本人は一人もいません。つまり、アメリカの超ドメスティック企業でした。人事システムもアメリカのものを流用していました。
高いコストをかけて欧米人が海外に駐在し、中には高い給料と手当をもらって、大した仕事をせずに帰る人もいて、各拠点でも本社でも問題になっていました。アメリカ主体のやり方ではローカルスタッフを生かせず、海外ビジネス自体が長く苦戦していたのです。
森田 :それで、どう変えたのですか。
桐山 :90年代半ばに、現地化(ローカライゼーション)を積極的に進め、全体を管轄するグローバル共通の人事システムを入れました。これで、国籍や人種を問わず、頑張って結果を出せばきちんと報われる、透明性のある評価ができるようになりました。特にマイノリティの人にとって、頑張りを公平に認められることはとても大事です。そうなると、マイノリティの人はマジョリティの人よりさらに頑張る傾向があります。
将来のリーダーには、時間もお金も手間もかける
森田 :各拠点を任せられるローカルのリーダーも育てなければなりません。育成にかなり投資したのではないですか。
桐山 :誰にでも投資するわけではありませんが、将来リーダーになると思われる人にはかなり投資しています。時間、予算、そして手間です。目的はスキルを上げることだけでなく、ビジネスリーダーとしての視座を高めることです。
P&Gはリーダークラスを外部から採りません。通常のビジネス部門の社員の大半は新卒で、まっさらな状態から始まります。その中からリーダーになれる人を見極め、ポジションを上げながら視座も上げていく。とても大切な仕事です。
▶ 日本企業へのヒント
海外拠点の人事制度は、国籍を問わず「結果を出せば報われる」と現地社員が納得できる透明さでしょうか。リーダー候補への時間・予算・手間の配分も確かめましょう。
5. 「辞めるからこそ、育てる」
「人が辞めるからこそ、育てるんですよ。」(桐山氏)
森田 :日本以外の多くの国ではジョブホッピングが当たり前で、育てても少し給料の高い会社に移ってしまうから、ローカルスタッフは育てても仕方がない、という声をよく聞きます。どうお考えですか。
桐山 :P&Gにも毎年多くの新入社員が入ってきます。組織はピラミッド型ですから、数年後にはさまざまな理由で人が辞め、自然に流動していきます。辞めた人の多くは、他の会社や持ち場で活躍しています。人材投資の話をすると「せっかく育てた人が数年後に去っていく。もったいなくないですか」とよく聞かれます。
森田 :では、どうお答えになるのですか。
桐山 :考えようによっては、無駄な投資に見えるかもしれません。でも私たちが思うのは、いずれ辞めるから育てても仕方ない、などと小さいことを言っていたら、本当の育成はできないということです。育てた人の大多数はいなくなる。それを分かったうえで、P&Gを辞めても他で十二分に活躍できるくらいの育成をしなければ、本当に洗練されたリーダーは残りません。ポテンシャルのある人も集まってこないと思います。
人が辞めるからこそ、育てるんです。いちばん大切なのは、どういう人が残るかです。楽をしたい人にとって居心地のいい会社にしたいですか。そうではないはずです。いちばん洗練された人が残る仕組みにしなければいけません。
森田 :なるほど。
桐山 :縁あって入ってきた一人ひとりが切磋琢磨して成長し、その後、多くの人が去っていきます。でも残る人もいる。その人たちが重要なリーダーのポジションでしっかり成果を出し、次のリーダーを育てる。このサイクルがきちんと回ることが重要です。
そのためには、自分が思っていた以上の力を引き出すストレッチなアサインメント、タフだけれどもそういう環境を与えること。そして、リーダーが次のリーダーを育てるという風土と責任が欠かせません。
森田 :辞めるからこそ育てる。国籍に関わらず、残したい人には「育成という投資」をしっかりする。そして育成の中心はストレッチ・アサインメント。成長意欲が高く、すぐ辞めそうな人でも残りたくなるような成長の場を与え続ければ、優秀な人が残ります。逆に機会がなければ、意欲のある人から辞めて、意欲のない人ばかりが残る組織になってしまいますね。
アメリカの超ドメスティック企業だった頃に、日本をはじめ各国のローカルスタッフに向けて行ったこれらの人事改革は、P&Gの英断であり、その後、押しも押されもせぬグローバル企業になった大きな要因のひとつではないかと思います。
▶ 日本企業へのヒント
「育てても辞めるから」と育成を絞っていないでしょうか。「5年後、どんな人に残ってほしいか」を経営陣で言葉にしてみてください。
まとめ
P&Gでは、トップマネジメントの評価の半分、課長・次長クラスの評価の3割が人材育成でした。ただし効いたのは、「次のリーダーを育てるのがリーダーの仕事」というカルチャーと、評価という仕組みの組み合わせです
人の器を大きくするのは、研修よりも、今の力量を少し超える仕事(ストレッチ・アサインメント)。P&Gでは全社員が対象で、担当替えは3〜4年が一般的でした
海外拠点では、数が少なくても本社から来た人がマジョリティです。普通にしているだけで権威的に映ると自覚し、サーベイや透明な人事制度で現場を見える化することが、溝を埋める出発点になります
「育てても辞める」から育てないのではなく、「辞めるからこそ育てる」。どんな人が残る会社にしたいかが問われます
よくある質問
Q1. 桐山一憲氏はどんな経歴の方ですか。
P&Gジャパンに新卒で入社し、27歳で支店長、1997年にカナダへ赴任。その後、日本人初のP&Gジャパン社長、アジア出身者初のP&G米国本社プレジデント兼アジア最高責任者を務めました。現在は株式会社forGL代表取締役です。
Q2. ストレッチ・アサインメントとは何ですか。
本人の今の力量を少し超える、背伸びが必要な仕事を任せることです。桐山氏は、研修は「来たるべき時への準備」として意味があるとしたうえで、人物の器を大きくするにはストレッチ・アサインメントが欠かせないと話しています。
Q3. 育てた人材が辞めてしまうなら、育成にお金をかける意味はありますか。
桐山氏は「辞めるからこそ育てる」と答えています。他社でも十二分に活躍できるほど育てなければ、洗練されたリーダーは残らず、ポテンシャルのある人も集まらない。大切なのは「どういう人が残るか」だという考えです。
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執筆者
beyond global group President & CEO
森田 英一
大阪大学大学院 基礎工学研究科卒業。大学時代に、国際交流サークルを立ち上げる。大学院時代にアメリカとイギリスで海外でのインターンシップを経験。大学院卒業後、外資系経営コンサルティング会社アクセンチュア(当時、アンダーセンコンサルティング)にて人・組織のコンサルティングに従事。 2000年にシェイク社を創業し、代表取締役社長に就任。若手の主体性を引き出す研修や、部下のリーダーシップを引き出す管理職研修や組織開発のファシリテーションに定評がある。10年の社長を経て、現在は、beyond globalグループのPresident & CEOとして、グローバル人材育成事業、日本企業のグローバル化支援、組織開発、ナショナルスタッフの人財開発、東南アジアの社会起業家とソーシャルイノベーション事業等、各種プロジェクトを行っている。株式会社シェイク 創業社長・現フェロー。 著作に「どうせ変わらないと多くの社員が諦めている会社を変える組織開発」(PHPビジネス新書)「一流になれるリーダー術」(明日香出版)「自律力を磨け」(マガジンハウス)「こんなに働いているのに、なぜ会社は良くならないのか?」(PHP出版)「3年目社員が辞める会社 辞めない会社」(東洋経済新報社)等がある。