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第5回:“評価されて終わり”にしない 目標設定とフィードバックの接続が生む成長と納得感

  • 2025.07.15

多くの組織で見られる課題の一つが、目標設定とフィードバックがつながっていないことです。期初に目標を設定し、期末に評価を伝えるだけ。その間に「意味づけの対話」や「振り返り」が十分になされないと、制度は形だけのものになりがちです。

タイの現場でも、「目標はあるけれど達成が目的化している」「進め方の軌道修正がされない」といった声をよく聞きます。今回は、目標設定とフィードバックをどうつなぎ、社員が納得して行動を続けられる仕組みにできるかを整理します。

目標設定は“行動の方向を決める合意”

目標設定は単に数字を決める作業ではありません。「この目標に向かってどう行動するのか」を部下とすり合わせる合意のプロセスです。

特にタイの現場では

  • 目標はあるが達成だけが重視され、過程が見られない
  • 目標が抽象的で、日常の行動に落とし込めない
    といった状態が起きやすいです。

目標設定の場で

  • その目標の背景にある会社の期待
  • 具体的にどんな行動を増やすべきか
    を一緒に確認するだけでも、納得感が大きく変わります。

フィードバックは“セルフコントロールの支援”

フィードバックは「目標に向かって自分で進めているか」を社員自身が振り返り、軌道修正できるようにするための支援です。

  • 「この進め方でいいのか?」と問いかける
  • 目標に対する進捗を一緒に事実ベースで振り返る
  • 評価を単なる結果通知ではなく、現在地の確認として活用する

こうしたやり取りを継続することで、タイ人社員にも 「上司と話しながら進められる」という安心感と、自律意識を持ってもらいやすくなります。


フィードバックが“次の一歩”を照らす

良いフィードバックには「次にどうすればさらに良くなるか」
が含まれています。

  • 「この取り組みはとても良かった。次はここを工夫してみてほしい」
  • 「結果は達成できたけれど、もう一段深く考えて行動できるはず」
  • 「今のやり方をより早く・効率的にできる方法はないか探そう」

など、次の行動のヒントがあると、社員は成長の道筋を前向きに描きやすくなります。


対話のサイクルが制度を動かす

目標設定 → 実行 → フィードバック → 再設定
というサイクルが回ることで、制度は「形」から「仕組み」へと進化します。

  • 面談を評価の場ではなく、振り返りと次の計画を考える場にする
  • フィードバックを一方通行のアドバイスではなく、双方向の対話にする
  • 目標が本人にとって納得できる挑戦になっているか常に確認する

タイの現場でも、この継続的な対話が制度を活性化させる最大のポイントになります。


まとめ:目標とフィードバックをつなげ、成長を可視化する

  • 目標設定は、行動の合意と期待の明確化である
  • フィードバックは“現在地”を知り、軌道修正を支援するもの
  • 継続的な対話が、制度を“成長の仕組み”に変えていく

評価や目標が一時的なイベントにとどまらず、社員の成長サイクルを支える仕組みになるための鍵は、目標設定とフィードバックの“接続”にあります。

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執筆者

森田 英一
beyond global group
President & CEO
森田 英一

大阪大学大学院 基礎工学研究科卒業。大学時代に、国際交流サークルを立ち上げる。大学院時代にアメリカとイギリスで海外でのインターンシップを経験。大学院卒業後、外資系経営コンサルティング会社アクセンチュア(当時、アンダーセンコンサルティング)にて人・組織のコンサルティングに従事。 2000年にシェイク社を創業し、代表取締役社長に就任。若手の主体性を引き出す研修や、部下のリーダーシップを引き出す管理職研修や組織開発のファシリテーションに定評がある。10年の社長を経て、現在は、beyond globalグループのPresident & CEOとして、グローバル人材育成事業、日本企業のグローバル化支援、組織開発、ナショナルスタッフの人財開発、東南アジアの社会起業家とソーシャルイノベーション事業等、各種プロジェクトを行っている。株式会社シェイク 創業社長・現フェロー。 著作に「どうせ変わらないと多くの社員が諦めている会社を変える組織開発」(PHPビジネス新書)「一流になれるリーダー術」(明日香出版)「自律力を磨け」(マガジンハウス)「こんなに働いているのに、なぜ会社は良くならないのか?」(PHP出版)「3年目社員が辞める会社 辞めない会社」(東洋経済新報社)等がある。