
第1回:がんばりの評価は卒業 “曖昧さ”を捨てることで制度は動き出す
- 2025.07.15
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タイでマネジメントに関わる日本人の多くが感じるのは、「評価が甘くなりがちで、納得感が薄い」という現場の課題です。部下に対して「みんな頑張っているからOK」「揉めないように高めの評価をつける」といった傾向はないでしょうか。結果として、ほとんどの社員に良い評価が並び、かえって「評価の重み」が失われてしまう状況も見られます。
一方で、タイ人の部下たち自身も、本当は何を改善すればよいのかがわからずにモヤモヤを抱えています。「上司が何を見ているのかが分からない」「誰でも同じように評価される」と感じれば、自分を伸ばすための方向性も見出しにくくなってしまいます。
人事制度は導入すること自体がゴールではありません。制度が「実際に使われる」ことで、初めて組織に変化と成長をもたらします。どれほど立派な制度を作っても、運用の中で曖昧さや甘さが残れば、制度は形だけのものになってしまいます。特に評価制度では、評価者であるマネジャーの運用力と納得感が、制度の価値を決める最大の要素になります。
本記事では、タイの職場でも起こりがちな「甘く、曖昧になりがちな評価」の背景を見つめ直し、どうすれば評価が“伝わり”、成長を後押しできるかを実践的に整理します。
目次
多くの評価が「なんとなくの印象」で決まってしまう原因のひとつが、日常的に使われる評価の“あいまいワード”です。たとえば:
こうした言葉で評価を進めると、どうしても評価の透明性や納得感が損なわれます。結果的に「みんな良い評価をもらうけれど、何を伸ばせばいいかが分からない」というモヤモヤを生んでしまいます。
納得感のある評価を行うには、観察と記録の習慣が欠かせません。
このように事実に基づいたコメントがあるだけで、フィードバックの説得力は大きく変わります。部下にとっても「何を伸ばせばいいのか」がクリアになり、自信につながります。
曖昧なままの評価は、社員の未来を閉ざしてしまいます。
評価制度は、単なる処遇決定のための仕組みではなく、成長の方向を示すナビゲーションとして機能すべきです。その役割を果たすには、基準と言葉をはっきりさせることが欠かせません。
制度は仕組みであると同時に、「共通言語」を生み出すフレームでもあります。
このような「評価の言語化」が進むほど、制度は組織内に根づきやすくなります。
人事制度が機能するためには、まず「何を見て」「どう言葉にするか」を明確にする必要があります。がんばりを超えて、行動と成長を見つめ直す制度運用が、組織の変化を促す第一歩となるのです。
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