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JCCI建築部会主催 「本音で話そう、シンガポールってどうなの?」

セミナーレポート
JCCI建築部会主催 「本音で話そう、シンガポールってどうなの?」

2019年11月25日(月)に、シンガポール日本商工会議所(JCCI)建設部会主催、ベテラン駐在員と若手駐在員の意見交換会・懇談会「本音で話そう、シンガポールってどうなの?」に、弊社代表の森田が講演およびパネルディスカッションのファシリテーターとして、登壇いたしました。

 

本会には、シンガポール日系建設業界の若手駐在員30名が参加し、海外駐在生活が20~30年近いベテランの方々からの知見を学ぶとともに、双方向での活発な意見交換を行いました。

 

海外において同業界の競合同士が一堂に会し、こうした横のつながりを構築できる場は、日本国内ではなかなか見られない、貴重な機会ではないでしょうか。

 

 

多様性に富むシンガポールでの仕事は、日本とは異なる点が多く、若手駐在員にとって刺激に溢れる一方、思うように事が進まなかったり、初めて現地ナショナルスタッフのマネジメントを任されたりと、戸惑う場面も多いことでしょう。

 

そこで本会は、シンガポール駐在年数が長く経験豊富な先輩方を招聘し、以下の4つのテーマを主軸に展開されました。

  1. シンガポールと日本の違い(働き方、キャリア、現場運営、文化面)
  2. ベテラン社員によるシンガポールにおける苦労話(いかに克服、解決、回避、自分が変わったか)
  3. シンガポールで何を学ぶか(駐在員、技術者、一個人として)
  4. ベテラン社員から若手社員へのメッセージ

 

第1部:シンガポールと日本の違いとは?

 

第1部では、働き方や文化的価値観の側面からの「シンガポールと日本の違い」をテーマに、日本企業のグローバル化支援を長年専門とする弊社代表の森田英一が、レクチャーを展開しました。

 

冒頭では、参加者同士の簡単な自己紹介後、「いま職場で困っていること」「問題解決したいこと」を小グループで共有していただきました。

 

カルチャー・ラーニング:気づきを学びに変えるチャンス

 

人が異文化に触れ、適応するまでの過程は、大きく4つに分類できると言われています。

  1.  現地で経験することがすべてが新鮮に思える「ハネムーン期」
  2.  負の部分が目についてカルチャーショックに苦しむ「不適応期」
  3.  現地での生活に徐々に慣れてくる「回復期」
  4.  違いを受け入れ、異文化への適合度が深く進む「適応期」

 

今回参加してくださった若手駐在員へのアンケートでは、現在赴任からしばらく経ち、3番目の「回復期」を移行中という方が最多の結果でした。

 

実は「回復期」は自文化・異文化の摩擦やギャップを新たな視点から捉え直し、違いを否定するのではなく、気づきを学びに変えるチャンスとして、最もカルチャー・ラーニングの深度が深まるステージでもあるのです。

 

森田のレクチャーでは、シンガポールという国の成り立ちや教育体系、その根底にある価値観を紹介するとともに、対比される日本の特殊性や、東南アジア現地での人材マネジメントの在り方について、参加者自身が各々の思考を深堀できるよう、問いかける場面も多々ありました。

 

第2部:ベテラン駐在員によるパネルディスカッション

 

続く第2部では、建設業界での海外駐在経験が20~30年に及ぶ、ベテラン駐在員の方々5名を招聘してのパネルディスカッションが行われました。進行は、弊社代表の森田英一が担当させていただきました。

シンガポール国内だけでなく、世界各地での名だたる建設プロジェクトを手掛けてこられた方々の「生きた経験談」を拝聴できる、貴重な機会となりました。

 

特に若手駐在員の方々の関心が高かったテーマは、先輩方の海外経験における苦労話や、シンガポールで身に着けるべきスキル、そしてローカル人材のチームマネジメントについて。

 

パネル登壇者と参加者がそれぞれ違う会社、違う立場からの意見を交換することで、お互いの視野が広がる、有意義な機会となったようです。

 

 

中でも、シンガポールの建設現場で「苦労が多い」として挙がった課題は、サブコンストラクター(通称:サブコン)との関わり方でした。

 

日本国内のスタンダードや常識が通用しない海外において、納期の度重なる遅れや、説明しても想定と違うものが出来上がるといったようなことは日常茶飯事。「サブコンに満足のいく仕事を遂行してもらいたければ、日本での『当たり前』をまず捨てることですよ」と朗らかに笑って話す、あるベテラン駐在員の方曰く、「口頭による説明だけで依頼が通じる国は日本だけ。口頭ではなく、仕上がりのイメージ図を明確に伝えることで、認識の齟齬が大分回避できます」とのこと。

 

「いかに相手の目線まで下がって物事を考えられるか」、そして「依頼内容を明記した書面にサインしてもらう」といった仕事の極意について、海外の建設現場での実際の失敗談や成功例を交えながら、気さくに話してくださいました。

 

 

パネルディスカッションでは、日本とシンガポールの仕事の進め方の違いといったベーシックなテーマはもちろん、ワークライフバランスの在り方、シンガポールに駐在する意味、駐在員としての長期的ミッションは何か等、広い視野からの話題が多岐に渡って取り上げられました。

 

さらには、転職の頻度が高いシンガポールにおいて、「いかに優秀人材をリテンションするか」についての活発なディスカッションも展開されました。シンガポールの人々は、自分がその会社で働くことで、将来どのように成長できるか?つまり、「将来のキャリアビジョンがはっきり見えるかどうか」を重視する傾向があります。

 

そのため、現地社員のキャリアプランを共に考え、明確なビジョンを提示することは非常に重要です。それができるかできないかは、チームメンバーとの信頼関係構築の度合いに少なからず影響するでしょう。

 

駐在生活でしか得られない経験をプラスに

 

パネルディスカッションと意見交換会の後には、食事を交えながらの懇談会が開催され、皆さん打ち解けた様子で親睦を深められていました。

 

若手駐在員の中からは、「駐在員として海外で長期間、勤務していると、日本国内の同期たちに比べて、技術習得の側面で後れを取ってしまうのではないか?」といった本音の声も上がりました。そういった懸念に対し、対話の中であがってきた視点は、「海外のプロジェクトマネジメントの現場だからこそ必要となる創造力と技術補完力、一筋縄ではいかないサブコンや多様なステークホルダーをマネジメントする力を鍛えることは、日本国内の勤務だけでは決して得られない経験である」ということ。

 

今回参加された方々は、この地での経験を日本や他国での貢献に活かし、グローバル人材として、飛躍していかれることでしょう。

 

また弊社beyond globalでも、シンガポールの新任駐在員向けの公開講座、「新任駐在員スタートダッシュ研修」を毎年行っております。

シンガポールに赴任されて間もない方がなるべく早く環境に適応し、高いパフォーマンスを発揮できるよう、オンボーディング・プロセスを支援する研修です。参加希望の方はぜひ、お気軽にお問合わせください。

 

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