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「シンガポールの新雇用法を踏まえてよりハイパフォーマンスな組織を作る方法」

西村あさひ法律事務所との協働セミナーレポート
「シンガポールの新雇用法を踏まえてよりハイパフォーマンスな組織を作る方法」

2019年2月26日(火)に弊社beyond globalと「西村あさひ法律事務所」共催による公開セミナー「新雇用法を踏まえてよりハイパフォーマンスな組織を作る方法」を、シンガポール日本人会にて開催いたしました。

 

今回のセミナーでは、弊社のHRコンサルタントと西村あさひ法律事務所の弁護士がタッグを組み、2019年4月に改正された「新雇用法の実務上の影響」そしてそれを踏まえた「ハイパフォーマンスな人材と組織の育成をはかるうえで欠かせない視点」を様々なケーススタディやデータ情報をもとにお届けしました。本レポートではセミナー当日の様子をご紹介いたします。

 

 

【セッション① 新雇用法の実務上の影響とケーススタディ】

 

2019年4月1日、シンガポールにおいて改正雇用法(Employment Act;Chap 91)が施行されます。同法の改正により、適用対象となる従業員の範囲が大きく拡大され、雇用主は就業規則や雇用契約など社内制度の見直しが求められます。

 

本セミナーでは、まずはじめに、西村あさひ法律事務所の弁護士、吉本智郎氏より、シンガポール新雇用法の改正のポイントについて、詳しくお話いただきました。

 

主な改正内容としては、以下のようなポイントがあげられます。

  • 管理職及び上級職(Managers and Executives=「M&E」)に対する雇用法の適用拡大
  • 雇用法第4章の対象となる労働者の拡大
  • 有給休暇付与義務の対象となる労働者の拡大
  • 雇用紛争の労働請求審判所(Employment Claims Tribunal=「ECT」)への一元化
  • 雇用者向けの制度柔軟化(給与控除、休日労働の手当て)
  • 整理解雇に関する情報提供義務

 

シンガポール労働省(MOM)によると、今回の改正で、新たに約43万人の管理職が改正雇用法の対象となり、約10万人の一般従業員が同法第4章の対象となる見通しです。

 

また当改正により、雇用主と従業員間の紛争解決手段の充実化も図られており、本セミナーでは、「解雇不服申立て」や「給与の支払い時期・控除」「疾病休暇」「整理解雇」などに関するケーススタディとその対応策をあげながら、雇用主が留意すべきポイントについて、分かりやすく解説いただきました。

 

参加者からは「雇用法改正の内容だけではなく、実際の従業員との紛争事例を知ることで、争点になりそうなポイントが分かり、非常に有用でした」「雇用法改正前に事前に準備すべきことが分かり、早速取り掛かろうと思います」等のご感想も頂きました。

 

【セッション② 良い意味での新陳代謝のあるハイパフォーマンスな組織を作る方法】

 

続くセッション②では、組織開発の第一人者である弊社代表の森田英一より、シンガポール政府の指針や労働環境をよく理解したうえで、「ハイパフォーマンスな人材と組織を育てる極意」について、レクチャーを展開しました。

 

これから組織を成功へと導くカギのひとつには、間違いなく「従業員エンゲージメントの向上」がある、と森田は話します。従業員のエンゲージメント指数と、組織の業績が連動し比例することは、世界各国の様々な研究機関によるデータ分析結果が明白に示しています。

 

レクチャーでは、具体的にどうすれば自社の従業員エンゲージメントを高めることができるのか?その実質的な施策についてはもちろん、組織として取り組むべき「社員を活かす環境作り」のポイントを以下の3つに絞って、お伝えしました。

 

  1. 公平な人事評価制度の整備と運用の徹底
  2. 日本人駐在員のマネジメント・シフト(ローカル社員のエンゲージメントを高め、伝えるべきことを伝える)
  3. ローカル社員への権限委譲と幹部育成

 

日本式の人材マネジメントの常識を、シンガポールにそのまま持ち込んでも機能しない、ということは分かっていても、シンガポールで成功するための秘訣は何か?自社の人事制度には何が欠けているのか?といった観点で、体系的に人材マネジメントを学べる場は多くありません。

 

弊社が長年、シンガポールをはじめ、アジア諸国に進出している日系企業の多国籍人材マネジメントを支援してきた実績から、現場の実情に合ったリアルなレクチャーをお届けしています。

 

ある参加者の方からは、「今まさに直面しているローカル社員のマネジメント課題について、自分が気づいていなかった視点をもらいました。参加して良かったです」との嬉しいお声を頂きました。

 

【セッション③ ハイパフォーマンスな人材を育てる仕組み】

 

続いて、弊社HR Development Team チームリーダーの吉本えみより、グローバルスタンダードから見たシンガポールの位置づけを、データに照らし合わせて解説するとともに、優秀な人材を育てる仕組みについて、掘り下げてお話させていただきました。

 

シンガポールは、2019年のグローバル人材競争力指数(GTCI)において、スイスのみの背後で優秀な人材ランキングで世界をリードし続けています。人材のパフォーマンスが国の成長への重要な要因と見なされていることから、企業にとっても、優秀人材の育成は最大の関心事となっています。

 

グローバル人材競争力指数(GTCI)の報告書によると、シンガポールは技能スキルや知識レベルではトップランクを維持している一方で、「育成」と「リテンション」分野でのランキング順位が伸び悩んでいることが分かります。

 

本セミナーでは、「育成」と「リテンション」を強化するために必要な3つの施策をご紹介しました。

  1. 優秀な人材プールを作る=リーダーシップ・パイプライン
  2. ストレッチアサインメントを与える(少なくとも2年に1回)
  3. Just in timeで研修の機会を与える(継続研修)

 

「リーダーシップ・パイプライン」とは、会社の変革・発展を導くリーダーを組織全体で体系的に育成しようとする考え方です。

弊社で実際にリーダーシップ・パイプラインの継続研修を提供している企業のケーススタディを交え、組織内にどのような変化が見られたか?などの事例を、吉本から詳しくご紹介させていただきました。

 

【セッション④ パネルディスカッション・Q&A】

 

最後に、西村あさひ法律事務所シンガポール事務所の弁護士、山中政人氏、Bayfront Law LLCの弁護士、メリッサ・タン氏にご登壇いただき、弊社の森田との3者によるパネルディスカッションを実施させていただきました。

 

組織人事開発のプロフェッショナルと、日本人弁護士、シンガポール人弁護士のそれぞれの視点から、この度のシンガポールの雇用法の改正に伴い、今後の組織に及ぼす影響やケース別課題、そしてシンガポールにおける優秀人材の育成方法について、幅広いディスカッションが展開されました。

 

シンガポールが変革期のイノベーションを推進する中で、日系企業においても、いかにハイパフォーマーな人材をリテンションさせ、結果を出せる戦力として活躍してもらえる仕組みを整えられるかが、喫緊の組織課題となっています。

 

質疑応答の時間には、アジアにおける日系企業の未来を担う経営者の方々や、組織開発者の方々から実務に関連した質問があがり、会場の皆さまも興味深い様子で頷きながら、聞き入っておられました。

 

弊社では、今回のような人事戦略や組織変革に関するセミナーを定期開催しております。今後も最新のセミナーレポートを更新してまいりますので、ぜひご高覧ください。

 

 

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